その時の心理状態によって、鏡に映るものが変わる。同じ「顔」を映しているはずなのに、その都度見え方が変わる。ある時はハンサム(今はイケメンというのだった)で若々しいのに、今日は顔色が悪い病人のような自分がそこにいたりする。表情とは心がそのまま表れるもので、写真同様、真実が現れる。怖い。どんなに取り繕っても真実は曲がらない。
それにしても最近、そこに映った自分の真実にがっかりすることが増えた。もちょっと若かったころは、例えば「疲れ気味だなー」とか「エネルギッシュだな!」とか「明るいいい表情」とか「ちょっと暗い落ち込んだ感じ」とかいろいろあって、しかしそれらはある一定の基準を超えてのことであって、つまり自分はまだまだ若くって、齢を感じるなんてことはない中でのことだったはずだ。ところが、最近はその「齢」を感じさせる変化にそこはかとなく気付かされるのである。女性が真っ先に悩む、しわ・くすみ・たるみが男の私にもやたら気になるのである。情けないことだが、鏡の中の自分を見て、真っ先にそういうことが気になる。
これが老化ということなのだろう。つまんだり引っ張ったりふくらませたりしたって、一瞬の効果しかない。何か女性の心理が理解できてきた感がある。チーーーーーん!