ごめんなさい。なんと美しい響きであろうか。何か起こったときにまずは「ごめんなさい」という。するとそのトラブルの8割方はもはや快方へ向かうのである。人混みで肩と肩がぶつかったとき、何かミスを犯したとき、言葉が足らなかったとき、相手の気持ちが理解できなかったとき・・・素直にまずこの一言が言えるかどうかである。
日本人の得意な言い方に「申し訳ありません」というのがあって、とにかくあっちゃこっちゃからこの言い方が聞こえてくる。誠に便利な言葉で、いかにも反省して自分が悪かったといっているように聞こえるのですが、これ「ごめんなさい」とは全く違った言い方で、心の底から詫びているのではない。起こってしまったことを客観視して、自分のせいではないがとりあえず謝ったふりをしておくか・・・というにゅああんす。
現・首相さんも必ず演説の中でご使用になる。不祥事が発覚した企業の代表もよくお使いになる。
申し訳ないとはどういう意味か?かくかくしかじか起こったことを、相手にすまなくてお詫びしたい気持ちだ。ということで、ちゃんと謝ってないじゃん。正しくは、「申し訳ありません。ごめんなさい」である。このごめんなさいが言えないのである。自分の負けを認めたくないのである。自分が不利になりたくないのである。こんなまやかしの表現で、多くのお偉いさんたちはごまかして生き延びてきた。申し訳ないと頭を下げて「ベロ」を出しているのである。首相さんの殊勝な顔を見るたびに残念に思う。申し訳ないの後に「ごめんなさい」と一言いってほしい。