必要な時にレンタルすればいいんです。車・ビデオ・CD・部屋・楽器・衣装などに始まり今や「人」まで簡単レンタル。恋人や妻までもが・・・・。愛車だとか愛用の楽器だとか言いながら、昔は物を大事にしてそれこそ愛情を注いだもんだ。そもそも物というものは手に入れる楽しみや醍醐味があって、いろいろ考えた末の選択によって手に入れることが多かった。それゆえ手に入れたものはワンエンドオンリーであって、末永く大事にしたものだった。同じものでも自分で選んだものは別格であり、愛情を注いだもんだ。
今の若者は所有欲がないという。自分だけの物に価値を見出さない。逆に所有することが面倒に感じるらしい。したがって、新車の販売が振るわない。家もマンションも賃貸が好まれる。しかも家具から食器から何でもそろっている物件に住みたがる。その日に契約してその日から暮らせる部屋ということらしい。住んで一つずつ家具をそろえたり、食器を選んだりということが面倒で興味がないらしい。これもしたがって、それぞれの物に対する愛情なんか育つわけがない。気が変わればさっさと出ていく。それこそ「身」一つで・・・・。
おそらく最近の恋愛とか結婚とかもそんなノリなのかもしれない。簡単に一緒になって、気まぐれに別れる。そこには悲も喜も何もないのであろう。簡単明瞭で大変結構。人間は所有欲のためにいろんな苦しみを持つわけで、その所有欲がなくなればこれほどさっぱりとした人生を送れるのであろう。
レンタルばんざーい!何でもかんでもレンタルレンタル。人生そのものがレンタルになっていくのであろう。飽きてしまったらどうすんだろ!
別の人生が簡単に借りられる時代がもうすぐそこまで来ているようなにおいがする。