むかーしむかーし、いろんなことが大変不便だったころ、何でも手に入るまでにとても時間がかかりました。注文したものが届くまでに一週間、十日なんてえのは当たり前。もちろん、コンビニなんてありませんし、ファミレスもファストフードなんかもありませんから、「食」だって、注文してから相当な時間待たされました。出前なんかも、いったいいつになったら来るんだい?もう一回電話しろや・・・。「へーい、今出ましたー!」てんで、これが待てど暮らせど来やしない。も―一回電話。「へーい、たった今出ましたですー!」。なんてことがよくありましたっけ。
それでも、このいつ届くのやら、という感覚をある意味楽しんでいた感があります。「ワクワク感」ということなのでしょうか。その、いつになったら・・・に対して、もちろんイライラ感もありましたが、届いた瞬間にその嬉しさで帳消しになったもんです。
今はというと、最初っからイライラ感が漂っておりまして、自分の時計、いやストップウォッチに間に合わないと、その遅れが許せない。2分1分の問題ではなく、*秒の問題となる。食・交通・通信・運送。挙句の果てに、人の気持や反応にまでそのわずかな「遅れ」が待てない、許せない。
「打てば響く」というのとはわけが違う。とにかく何でもかんでも相手に求める速度が「即」なのである。
「ゆとり」どころか必要な「マージン」すら認めない世の中。線路になぜ「すきま」があるのか・・・。考えて見て下さい。