旧・音気楽ブログ

マナーとかモラルとか

本日は、Y社の新品のピアノをお買いになった方のお宅へ伺いました。3回目の調律なのですが(お買いになってから1年半が経過しています)音が安定していない。ピアノ業界全体の問題なのですが、最近のピアノは、「できたて」を納入します。えーっ!それっていいじゃなーい!と思われる方が結構いらっしゃると思うのですが、1993年、あのバブルの崩壊の前はそうじゃなかった。どうだったのかというと、そもそもピアノという物は製造してから半年1年は倉庫に保管され、ある程度落ち着いてから出荷されていました。ピアノは生き物!であるが故、生まれたては赤ちゃんと同じで、とても不安定なものだからなのです。それが今や、できたてをそのまんまお届け・・・ピザじゃあるまいし・・・

何で?それはね、ピアノが売れないからなのです。ある程度注文がまとまった段階で大急ぎで作る。ハイハイ、できましたよー!てなもんです。ある程度台数造って置いておく余裕がない。いつ売れるか分かんないからねー・・・前はつくりゃー売れたのに・・・つくっても造っても間に合わないこともあったのになー・・・

何で売れなくなったのかは何回か書きましたよね。プロの領域は別として、一般の中で需要が激減した。もう一回言うけど、今の人達ピアノ要らないんだよね。必要になったら電子ピアノ?でいいんだよね・・・
確かにそれでいいんだと思います。鍵盤がちゃんとついていて、いろんな音が出せて、軽くて、安くて、ヘッドフォンも使えて、パソコンにもつなげて・・・
ただ本物のアコースティックサウンドだけは忘れてほしくない。特に子供さんたちには!本物の寿司とかそばとか味噌汁とかもね・・・

嘆きは別な所にもあって、人という物(あえて物と呼ばしてもらう)は、なんでこんなに我が儘なのだろうと思い知らされた1日でした。今日のお客に戻るけど、1年半もたっているのに虫眼鏡で探したようなキズを指摘。こんなとこに「キズ」あるんですけど!だとさ・・・。私、「はーーーーー・・・」。ほんの3ミリくらいの逆立ちしないと見えないようなところのキズなんですか・・・「ハイハイ、なんとかしましょうねー・・・」。ここだけの話、マジックペンで一こすりしておいたよー!来年は来年でまた別なキズ探しておくんだろうなー・・・。
真ん中のペダル、使ってますかー?「えーっ、そんなの知らなーい。何のペダルですかー?」「最初に説明しましたけど・・・」「いやー、初めて聴きました!」ときたもんだ。まるで私が説明しなかったような言いぐさ。わがままだなー・・・。お譲さんまだ小さいので補助ペダル使用。調整ができていない。というかネジ外れっぱなし。お客曰く「この補助ペダル、なんか変なんですけど!」「これは裏のネジを調節してここにあたるようにしないとですねー・・・」「えーッそんなのしらないしー!ネジすぐはずれるしー!」と、また私を非難。何とこの補助ペダル、私から買ったのではなく、ネットで変なメーカーのを勝手に買っといてこの言いぐさ。なんでネットで買ったのかというと、私がお勧めしたものより「安」かったから!です。イスもネットでお買いになって、なんとエレピ用の貧弱なイスをお使いでした。

なんか妙に気持ちがさみしくなって、1000円余計に頂いてきました。そのくらいいいよねー!