サザエさんの時代背景は、昭和30年代かと思われますが、そうすると私が10歳前後の時ということになります。もう50年以上前ということになってしまいますが、未だに視聴率が高い。シルバーエイジのみならず、若い世代(昭和を経験していないような世代まで)にも人気があるらしいのですが、これが日本人の原点みたいなものなのでしょうか?ほのぼのとして、スローでつつましくほほえましい。他の国には絶対見ることのできない、日本独特の文化。時代が変わってもDNA的に受け継がれていくものなのでしょうねー。先日の放送で、久しぶりに一家でデパート出かけるシーンがありました。よそいきの洋服に着替え、真っ白な靴下にきれいな靴。ハンケチ・チリ紙忘れずに!意気揚々と出かける様には、こちらも当時を思い出してウキウキしちゃいました。デパートへ出かけるということは一大イベントだったんですね!
買い物が済むと、さー本日のメインエベント、「大食堂」!最上階にあり、エレベーターを降りると、目の前に巨大なガラスのサンプルケース!色とりどりのおいしそうな御馳走が、所狭しと並び、それぞれが胸を張ってキラキラと誘うのです。「うわー、あれも食べたいなー、これも食べたいなー・・・」。見ているだけで夢見心地。漂ってくる良いにおいで我に返り、ドキドキしながらテーブルの並んだホールへ・・・広い。とにかく広いホールの中は、白い小さなエプロンに頭にはやはり真っ白なカチューシャ?を付けたかわいいお姉さんが、銀色のお盆に色々なお料理をのせてくるくると動き回っている。ダンスホールのようだ!。母親が空いている席を目ざとく見つけ、手招きをする。白いイス、白いテーブルクロス、何もかも日常にない白!ガラスの小さな花瓶には、かわいい花まで活けてある。その横には、32と書かれたプレートが立っていて、ここが32番テーブルなんだ、と妙に感心したりする。間もなくお冷を載せてウェイトレスのお姉いさんがやってきて、予め買っておいたチケットの半券を「もぎり」、少々お待ちください!なんて言うんだよ。頼んだものは、もちろん「お子様ランチ」。あのチキンライスの上に立った「旗」・・・です。混んでいるのでなかなかこない。頭に描きながらひたすら待つんです。隣の席ではおじさんが、うな丼とざるそばをうまそうに食べている。あー早くたべたい・・・早く早く・・・。
やがて、「おまたせいたしましたー」というウエイトレスさんの声!「まってましたー」「うわーい」「はたはたはた」・・・夢中でたべおわるとー・・・うをー、チョコレートパフェだー!
喜びは絶頂!天国―!余韻を引きずり、満面笑み!で帰路に就くのでした。
専門店街となり、大食堂を残しているデパートは少なくなりました。「夢」がそこにありました。特別な思いいれありました。待つことでのわくわく感や、大勢の人と食事をする醍醐味がありました。スピードとコンビニエンスの現代社会では味わえない「なごやかさ」がありました。大食堂を復活させようー!