母親が買ってきた鶏のひき肉、料理をしようとした母が、「なんか、変なにおいがする!」と言い出した。
姉も妹もいたので、みんなで嗅ぎまくった結果、これはウサギの肉ではないか?という結論に至り、男である私が、肉屋さんに苦情を言いに行くはめになった。
肉屋さんは、怒った。うんなもん売るわけねえだろう!でも―、けどー・・・としか言えない私に、肉屋さんは金を突っ返してきて「二度とくんなー」と怒りまくっておりました。
その後、母はその肉屋さんにはもちろん行ってません。
そんなわけで、ウサギはおいしくない・・・?
あれ?ちょっとそれた?
時を同じくして、「巨人の星」という漫画がテレビで放映されていた。
「星 飛雄馬」と「伴 宙太」の高校生バッテリーが繰り広げる、感動的野球アニメであった。
そのテーマソングに「おーもーいー こんだーら しれんのみーちーおー・・・」という歌詞があって、画面には、星くんがグランドを整備する道具を汗だくで必死に引っ張っている姿が写っているんです。
その道具が「こんだら」という名前だとずーっと思ってました。
本名は「とんぼ」というのだそうですけど・・・
重い コンダラ 試練の道を・・・
じゃななくて
「思い込んだら試練の道を」でありました。
更に時は移り過ぎ一応社会人となり、仕事でフェリーに乗る機会がありました。
車を船倉に止め、景色の良い3階のデッキから桟橋を何気なく見下ろしておりますと、一人のうら若き美しい女性が手を大きく振りながら駆け寄ってくるではありませんか!
ちょうど私の真下にやってきて、手を口元に添え何やら叫んでおります。
よく聞こえないのでありますが「いかないで― あいしてるー・・・」と言ってるように感じました。
あんた誰?何?何?なんでやー?
もしかして、昨日飲みに行ったスナックのお姉さん?
相当酔っぱらってたから記憶が定かじゃないが・・・そのあとなにかあったんだっけ?
なんて、勝手な想像を膨らまし、まんざらでもないような気分で「また、あいに来るよー」みたいなことを言った。
その時上の方から男の声。
「俺もお前のことあいしてるー!すぐむかえにくるよー!」
え、え、え、え、えー?
この上にもデッキがあったのー?
彼女は私の真上の野郎に想いを叫んでいたのでした。
私、ただの恥ずかしい人・・・
何事もなかったような顔して、平静を装って船室に引き上げたのでした。
後日、彼と彼女の笑いの種にでもなったか・・・
この様な勘違いと思い込みでよくここまで生きてこれたもんだ。
一番の被害者は妻であると思い、その「理解と許しと諦め」に感謝申し上げる。
平成28年1月20日 あなたの素敵な(またまた思い込みでしょ・・)ダーリンより・・・勘違いは治らない!