最近の車事情を見ていますと、とにかくでかい。ボディーも大きいのは大きいのですが、それよりもパワーがすごい!装備がすごい!なんでこんなに馬力が必要なのか、なんでこんなに色んなものが備わっているのか?何のための車なのか?250㌔超で走る性能がいつどこで必要なのか?ハンドル周りにいくつものボタンやスウィッチ・・・どうやるの?何すんの?挙句の果てに、自動運転装置だー・・・本末転倒車!運転する楽しみはどこ行った?本体価格を見て「あー何とか買えるかー」と思ったらメーカーオプションとかいうものが見積書にドカーンと乗っかって「エー・・・」。オプションいらない!と思っても、オプションないと、車として機能しないようになってやがる。
同じような傾向がピアノの世界にも起こっています。昨年のショパンコンクール、優勝者の使用したピアノはやはり「S」社のものでした。「Y」社もがんばったのですが惜しくも及ばず。他のメーカーも善戦しましたが、なんせピアニストが使ってくれないのでは話が始まらない。製造技術については、どのメーカーも一流で文句のつけようがないほど完璧に仕上がっていたはずです。其々に極秘のノウハウがあり、それがピアノの特徴となるわけですが、ピアノという楽器に対してなにを求めるのか?おのずと方向が違ってきます。求められるのは、音色・タッチ感・表現力等々。音色・表現力は、弾き手にも聴き手にとっても大変重要なポイントであるはずです。所が最近求められる傾向はなんと「音量」なんです。そして音の「華やかさ」なんです。平たく言うと「大音量ド派手!」が好まれるんですねー。聴き手がそれを求めだしたのか、弾き手が求めだしたのか、どちらが先か分かりませんが、新しくできるホールにも原因があるようです。収容人数を誇る巨大ホール。そこには響き渡るピアノが求められる。音に対する世の中の好みが変わってきている。変わってきているのは音だけではない・・・というのは前にも書いた。より刺激的なものが好まれ求められる。どんどんエスカレートしていく。ピアノの本来あるべき姿から外れていく。楽器であったものが、ハイテク工業製品となっていく。柔らかさ・暖かさ・やさしさ・優雅さなんておよびでない。(現代女性と同じ傾向・・・?)一般家庭用のオプションもいろいろで、サイレント・自動演奏はもとよりアンサンブル機能搭載なんてのがあって、オーケストラと共演できるんだと。パソコン機能が付いていて、先生んちのピアノと連動!離れた場所でレッスンがうけられます・・・・?だと。ちなみにオプションがバカ高い。
Q☆PIANOというブランドはこの音気楽工房のオリジナルであります。不要なものは全て削除!楽器として必要最低限の条件下で創意工夫をし、2012年に誕生。純然たるアコースティックピアノでありながら、価格は¥450,000。日本の風土に合った日本人のためのピアノ。どうぞショールームに来てください。詳細は http://Qpiano.jp