人の話じゃなくて、ピアノの話。国産のピアノで今年64歳、とは驚いた。昨日伺ったお宅のぴあの、1952年生(製)でした。メーカーはあえて申しませんが、純然たる国産であります。外装はとても良い状態で、木目。ちょっと緑がかった薄墨色とでも言った良いのでしょうか、現代にない色でとっても素敵!オーナーさんに伺ってみると、「特に気を遣うでもなく、なんせもう20年も調律してない。鍵盤の戻り悪いし、ペダル、ぎこぎこいうしー、変な音するしー・・・」うーむ、やな予感・・・
とりあえず、分解。天屋根開けて、中をそっとのぞく・・・あれ、変なにおいしない。(調律師、においで中の状態分かる) わび・さびじゃなくて、錆・黴なさそう。よかったよかった。さてと、このパネルはどうやってはずすんだ?上下前後に揺さぶって、外れる方向やっとわかった。この鍵盤のふたどうやって外すんだ?うわー、このねじを外してこれを折り曲げてこっちをとおして・・・外れた―。元に戻るかいなー・・・やだなー・・・めんどくさいなー・・・
音律はもちろん下がっていて、レがドになってる。1回では事足らず、3回調律して漸く落ち着く。内部の掃除・鍵盤調整・ペダル調整などをして、さー、弾いてみよ!なんか「いいじゃなーい!」 オーナーさんもうっとり!もう一回ピアノちゃんとやってみよ!
それにしても、改めて日本人の職人魂の素晴らしさを実感させて頂きました。このピアノ作った方はもういらっしゃらないと思いますが、もう一度見せてあげたかった。
まだまだ頑張るピアノさん。私も負けないよー! ちなみに私、このピアノさんと同い年ですー!
すてきな響き、突き刺さるような現代音と明らかに違います。古き良き時代の音!昭和の音!